抜糸が必要な手術と不要な手術の違いとは?

包茎手術後に抜糸が必要かどうかは、縫合に用いる糸の種類と縫合法の設計によって決まります。抜糸が必要な手術では主にナイロンやポリプロピレンなどの非吸収性糸を使用し、皮膚表面を細かく縫い合わせていきます。非吸収性糸は強度が高く結節が緩みにくいため、術直後の止血と創縁の安定が得やすく、縫合跡の幅を最小限に抑えやすい利点がございます。一方で術後10〜14日目に医療機関で抜糸を行う必要があり、その際に軽度の疼痛や出血が起こる場合があること、抜糸までの期間は糸の存在感や擦過刺激による違和感が残る点がデメリットです。対して抜糸が不要な手術ではポリグリコール酸やポリジオキサノンなどの吸収性糸を用い、真皮内に連続縫合する「埋没縫合」や表皮に細かく打つ「皮内縫合」が採用されます。吸収性糸は約2〜3週で表面から脱落し、内部の糸は3〜6か月かけて体内で分解・吸収されるため、通院回数が少なく社会復帰が早い点が利点です。ただし吸収過程で一時的に硬結や発赤が生じることがあり、体質によっては遅延吸収や糸腫(しゅしゅ)と呼ばれる肉芽反応を起こすリスクがございます。美容面では、非吸収性糸を用いた細かな外表縫合のほうが傷跡が直線的に整いやすい一方、吸収性糸による真皮内縫合は表面に糸が出ないため「糸痕」が残りにくいという評価もございます。クリニック選択の際は、①術後の通院可能日程、②痛みや違和感への許容度、③傷跡の仕上がり重視かダウンタイム短縮重視か、④費用と再診料の合計、といった観点からご自身の生活スタイルに合った縫合法を医師とご相談ください。

コラム一覧