包茎は大きく真性包茎・仮性包茎・カントン包茎の三種類に分類され、それぞれ症状やリスクが異なるため、正しく判別することが大切です。まず真性包茎は、平常時も勃起時も包皮口が極端に狭く、亀頭をまったく露出できない状態を指します。包皮輪が硬く締め付けられているため、無理に剥こうとすると痛みや出血が起こりやすく、亀頭部の通気が悪いことで恥垢や湿気が溜まりやすくなり、慢性包皮炎や尿路感染症、さらには陰茎がんのリスクを高めると報告されています。小児期には成長とともに自然開口する例も見られますが、思春期以降まで改善しない場合には医療機関での診察をお勧めいたします。次に仮性包茎は、平常時には包皮が亀頭を覆っていますが、軽く引くか勃起すると容易に露出できる状態です。日常生活で大きな機能障害はありませんが、洗浄不足のまま包皮を戻すと恥垢が蓄積しやすく、炎症を引き起こすことがあります。また、包皮を戻し忘れて亀頭が乾燥するとひび割れや痛みを生じる場合もございます。治療の必要性は症状の有無とご本人の希望によって判断され、衛生指導や包皮輪拡張、環状切除術など複数の選択肢がございます。最後にカントン包茎(嵌頓包茎)は、包皮を一度剥いた後に包皮輪が狭いため亀頭の根元で締め付けられ、元に戻せなくなる緊急性の高い状態を指します。血行障害が急速に進行し、亀頭が紫色に腫れて激痛を伴い、最悪の場合は壊死に至ることもあるため、速やかな医療処置が必要です。セルフチェックの際は、①平常時に包皮がどの程度開くか、②痛みや出血の有無、③勃起時に自然露出できるか、④包皮を剥いた後に安全に戻せるか、の四点をご確認ください。無理に剥くと裂傷や感染を招く恐れがありますので、異常を感じたら早めに泌尿器科を受診なさってください。まとめますと、真性包茎は「まったく剥けない」、仮性包茎は「剥けるが普段は覆う」、カントン包茎は「剥けた後に戻らない」という違いがあり、特に真性包茎とカントン包茎は医療的リスクが高いといえます。正確な見分けと適切なケアが、泌尿器の健康と将来のQOL向上につながりますので、ぜひ参考になさってください。