乳幼児の包茎は生理的現象で、日本泌尿器科学会は「小学校高学年までは経過観察」を原則とし、十〜十二歳で約九割が自然に仮性包茎へ移行すると報告しています。ただし排尿痛、包皮炎の反復、嵌頓発作など医学的問題があれば年齢を問わず治療適応です。保存的治療として五歳頃から使えるステロイド外用とディレーター拡張があり、六か月以内の改善率は七割前後と良好です。局所麻酔下の環状切除術は七〜八歳から、多くの施設で安全に実施され、全身麻酔を伴う形成術は体重二十キログラム以上・ASAⅠ〜Ⅱを満たす八歳以上が推奨されています。十四歳を過ぎると包皮弾性が低下し保存療法の効果が落ちるため、審美性を重視する場合は思春期前の手術が望ましいとされます。真性包茎や嵌頓包茎は保険適用で三割負担、美容目的は自由診療となり費用は十五万〜三十万円が相場です。未成年手術では親権者同意が必須で十五歳以上は本人署名も求められます。夏休みや春休みに手術を計画すると授業や体育を欠席せずに済み、保護者がガーゼ交換を補助できるため回復も円滑です。術前には麻酔方法や合併症、学校生活への影響を丁寧に説明してもらい、疑問点を解消してから同意書に署名することが大切です。夜間勃起が弱い年齢では縫合部への負荷が小さく治癒が早い反面、包帯圧迫が強すぎると血流障害を招く恐れがあるため、帰宅後は一日二回患部の色調と温度を確認してください。ネットやSNSには未成年に早期手術を過度に勧める広告も散見されますが、厚生労働省の医療広告ガイドラインは年齢と症状に応じた治療選択を示すよう求めています。まず専門医の診察を受け、経過観察で済むのか保存療法が適切か、手術を急ぐ必要があるのかを客観的に評価してもらいましょう。